[ 悠 々 日 記 ]/ YUYUKOALAのブログ

コアラのように悠々と日々暮らしたいと考えている、とある人の日記です

読売新聞に掲載された細田守×村上隆の対談記事

29日と30日の読売新聞に、映画「サマーウォーズ」の細田守監督と
アーティストの村上隆氏との対談記事が、2日連続で掲載されていました。
 


 
この中で気になる点があったのは、
国立メディア芸術総合センター建設についてのやり取りでした。
 


細田 日本では、国立メディア芸術総合センター建設をめぐる論議がありますよね。すごいハコものはともかく、大衆文化、アニメやマンガを海外に提示していくのは悪いことじゃないと思っていた。でも労働問題と絡めた批判が結構ある。「それよりもっと自国のアニメーション産業を振興すべきだ。そしてアニメーターを救え」と。
村上 自分の絵が1枚1億とか2億で売れて、アニメーターは1枚150円とか300円じゃ、何が正義なのか。金額だ何だっていうのは結果論であって、手で描いた絵はやっぱりすごく寿命が長い。アニメでも何でも、すべては僕らの死後、未来の人たちが価値を見いだして再生産する回数に委ねられると思うんですよ。細田さんに作ってもらった作品*1のすべて、こちらで回収させてもらったじゃないですか?
細田 1枚残らず、今、村上さんが保存してる
村上 離散させないで1個の作品として残す。それが未来に価値を伝えるために今考えられる最大にして最高の効果があがる作法。モノを伝承し続けることに集中すべきで、作品が残っていれば、検証はどこの国の人がやってもいい。
細田 作り手としては、常に作り続ける活力を維持していきたい。そのためには様々な作品が作られ、その中からいいものが世界へ出ていく環境も必要だし、大衆文化を世界の芸術史にねじこんでいくような力も必要。マーケットが大事か歴史が大事かはさておき、文化として考えるべきだということは強く思います。

 
メディア芸術センターでの一元管理が全て良いとは
私としては思わないんですが、作品が離散してしまうのは
文化として捉えると確かに大きな損失になりそうですね。
 

*1:細田氏が監督したルイ・ヴィトンのイメージ映像『SUPERLAT MONOGRAM』(03年)のことか?