[ 悠 々 日 記 ]/ YUYUKOALAのブログ

コアラのように悠々と日々暮らしたいと考えている、とある人の日記です

「エンドレスエイト」3週にまたがる演出の意図を読み解いてみる

涼宮ハルヒの憂鬱」新作アニメでの「エンドレスエイト」は
3週(またはそれ以上)にまたがる演出がされていました。
 
1週目(12話)は原作でも描かれていない、言わばプロローグ。
2週目(13話)では原作に準拠した形で、
かつ前週の繰り返しの中に差異を描くように演出がされていました。
ここで原作に準拠したと書きましたが、
2週目の最後の最後では、
キョンによる「宿題の投げ出し」という原作とは異なる演出で
3週目(14話)に続くという展開となっています。
 
何故「エンドレスエイト」ではこのような演出をしたのか。
制作者側の演出の意図を勝手に読み解いてみます。
 
エンドレスエイト」は原作中の短編でありながら、
アニメ化では3週(またはそれ以上)に渡る中編並みの演出です。
これは、文字による描写の原作では描けない「時間の経過」を
アニメ版ではアニメ自身が持つ「時間」という特性を生かして
視聴者に体感させようという、制作者側の意図なのでしょう。
 
つまり、
1週目(12話)と同じような描写を繰り返すことで、
2週目(13話)を見た視聴者に、キョンや古泉が感じた
既視感を同じように体感させる効果を生んでいます。
 
そして、2週目で終わらせないことで、
3週目には、また繰り返しのループとなる様子を描き、
今度は長門が感じたのと同じ繰り返しにウンザリとした感覚を
視聴者にも体感させようとしているのかも。
 
また、演じる声優自身に与える影響も演出に生かしていそうです。
同じ夏休みを複数週にわたって描くことで、
キャストも繰り返し同じような演技をすることとなり、
そこから声優が感じた繰り返しに対する感情を
演じる声にも反映させることが可能になります。
 
このように、文字媒体の原作ではできない演出を、
アニメ版「エンドレスエイト」では行なうことで、
視聴者に「涼宮ハルヒ」というキャラが持っている不思議さを
強く感じさせようというのが、制作者の意図なのではないでしょうか。
 
さて、3週目となる来週で「エンドレスエイト」は解決するのでしょうか。
それとも、このまま何週も無限ループを繰り返すことになるのでしょうか。
早く続きが見たいと思った2週目の「エンドレスエイト」でした。