朝日新聞の書評に「百舌谷さん」が登場
13日の朝日新聞に掲載された書評面「コミックガイド」で、
篠房六郎「百舌谷さん逆上する」が取り上げられていました。
評者は南信長さん。
皆さん、「ツンデレ」ってご存知ですよね? 「普段はツンとしているが、好きな相手と2人きりになるとデレデレする」あるいは「好きな相手にデレデレしないよう逆にツンとした態度で接する」ような人物・現象のこと。が、それはただの俗称で、本来は<ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極製パーソナリティ障害>という遺伝病の一種である──というのが本作の基本設定だ。
とある小学校に転校してきた美少女・百舌谷(もずや)さんはそのツンデレ病に侵されている。(略)唯一ちょっかいを出し続けるガキ大将的男子。そんな彼に好意を抱いていることを自覚した彼女は、ツンデレ症状により彼に殴る蹴るの暴行を加えて病院送りにしてしまい……。
百舌谷さんが毅然とした態度で放つ悪口雑言は胸がすくほどの破壊力。反面、時折見せる困惑の表情が何ともいじらしい。極端に誇張されているものの、「好きな相手には意地悪する」「嫌い嫌いも好きのうち」という心理は誰しも理解できるはず。彼女が抱える絶望感、訳合って彼女の下僕となった不細工男子との関係も含め、屈折と倒錯に満ちた暴走ラブコメディーだが、根底には意外と普遍的な人間心理の綾がある。
書評の冒頭で、「ツンデレ」を「ご存知」扱いされて
戸惑った一般読者は多いのかも。ましてや本作での
「ツンデレ」が遺伝病であるとの説明には、
本作を知らない人は中々付いて来られないでしょうね。
- 作者: 篠房六郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/06/23
- メディア: コミック
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追記
Web版に記事がアップされましたのでリンク。
→ http://book.asahi.com/comic/TKY200807160228.html
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