[ 悠 々 日 記 ]/ YUYUKOALAのブログ

コアラのように悠々と日々暮らしたいと考えている、とある人の日記です

日本経済新聞の文化面でライトノベルの解説記事が掲載される

2/18の日本経済新聞夕刊最終面である「夕刊文化面」で
ライトノベルを解説した記事が掲載されていました。
一例として挙げられたライトノベルとして
キノの旅」「涼宮ハルヒの憂鬱」「レンタルマギカ」などの
書影が写真で紹介されていました。




記事は、

“マンガ的な「ライトノベル」隆盛”
“文芸の世界に新たな感性”

といった見出しが躍り、「ライトノベル」について

中高生を主な読者とするエンターテイメント小説”
“ファンタジーやSF、学園ものなどジャンルは様々”
一般の小説とは一風異なる、その世界”
“表紙や挿絵にアニメ調のイラストを用い(る)”
“書店ではマンガと同じ棚に並ぶことが多い”
“内容もマンガ的で、慣れない読者は面食らうかもしれない”
“メディアミックスにも積極的で、人気作はマンガ化・アニメ化される”
“作品はシリーズ化され、年間5冊以上書き下ろす多作の作家も”
昨年1年間に一千超の新刊が刊行された”

といった説明がされていました。
紹介写真では、この5作品が紹介されていました。



(左上から)「狂乱家族日記」「涼宮ハルヒの憂鬱」「キノの旅
(左下から)「レンタルマギカ」「フルメタル・パニック!


また、ライトノベル作家の一般的な例として、

ライトノベル作家は出版各社が主催する文学賞を受賞して世に出るのが一般的。20代前半でデビューする例が多い。

といった説明もありました。


主なレーベルとしては以下の4レーベルが
簡単なデータとともに挙げられていました。

レーベル名
(出版社)
累計刊行点数 主なシリーズ(累計部数)
角川スニーカー文庫
角川書店
1550 涼宮ハルヒの憂鬱」(450万部)
レンタルマギカ」(160万部)
富士見ファンタジア文庫
富士見書房
1440 フルメタル・パニック!」(700万部)
鋼殻のレギオス」(75万部)
電撃文庫
メディアワークス
1560 キノの旅」(560万部)
灼眼のシャナ」(600万部)
ファミ通文庫
エンターブレイン
750以上 狂乱家族日記」(90万部)

フルメタ」が700万部、「シャナ」が600万部、
ハルヒ」が450万部出ているとのことです。


また、記事中では、
ライトノベル出身作家の一般文芸での活躍について
芥川賞を受賞した桜庭一樹氏や乙一氏、
有川浩氏の名を挙げて、

彼らのライトノベル作品を一般書の売り場に並べる書店もあり、読者層は今後広がりそう。

といった予測がされていました。


この記事に寄せられていた関係者のコメントには
こんなものがありました。

ライトノベルについて:
「内容の現実味よりも、作品をマンガにしたときに楽しめるかが重要」
(『フルメタル・パニック!』の著者、賀東招二氏)

ライトノベルのイラストについて:
「読者は絵の魅力に引かれて本を手に取る。作品の雰囲気を決定的に規定するので、イラストレーターの起用には神経を使う
角川スニーカー文庫坂本浩一編集長代理)

ライトノベルの創作方法論として:
・「まず登場人物を造形し、そのキャラクターを最も面白く見せられる物語を作る」
・刊行されているほぼすべてのマンガ雑誌に目を通し、「若者の思考や価値観を常に吸収している」
(『レンタルマギカ』の著者、三田誠氏)

ライトノベル作家の文芸への「越境」について:
「物語想像力が飽和している今、ライトノベル作家文芸に新しい表現を持ち込みうる存在。文芸作品が商品として流通し受容される環境そのものが変化しつつあり、これからの文学は大きく変貌する可能性がある」
(評論家の東浩紀氏)