朝日新聞が一連のアニメ放送自粛問題を取り上げていた
26日の朝刊テレビ欄(目立ちにくい中面の方)に
「スクールデイズ」「ひぐらし解」「こじか」といった、
アニメの放送を自粛した問題について
取り上げていました。
事件を連想させるなどを理由に、アニメの放送を中止する事例が独立U局を中心に相次いでいる。最近では、9月に起きた京都の16歳少女による父親殺害事件を発端に、深夜アニメ「School Days」の最終回が放送中止に。さらに「ひぐらしのなく頃に解」を途中回で事実上打ち切るテレビ局も出てきた。ともにゲームをアニメ化した作品で、原作ゲームは独特の陰鬱な展開で話題になった。
両作品を放送中止したテレビ埼玉は、考査体制を強化。日程的に絵コンテでの判断も多かったアニメ番組は、必ず本編をチェックするように切り替えた。
現在、ネットで騒がれているのは10月の新アニメ「こどものじかん」。原作は漫画で、小学校を舞台にいじめ、新人教師の葛藤をリアルに描く一方、少女が教師に迫るシーンも。「特定の事件を連想させない」(チバテレビ)として放送する局と、「子供を性的に捉えた表現が見受けられる」(テレビ埼玉)として見送る局とに対応が分かれた。
「深夜とはいえ、アニメは青少年への配慮を考えざるをえない」とテレビ埼玉の井上正一編成局長。一連の放送中止で各数百件の抗議があったという。「街のビデオなどの世界がテレビに流れ込んでくる可能性が予見できる。社会的な常識に照らしながら、歯止めを設けたい」
一方で無修正DVDが発売され、放送中止の回のネット配信、試写会が実施される現実も。制作者の表現手法、視聴者の受け止め方など、両者で考える場が広がるべきだ。
(青山祥子)
この記事によると、アニメの放送内容のチェックは、
放送される完成品ではなく、絵コンテの段階で
判断していた事例も多かったようですね。
社会的にも問題となった、あのポケモンショックや
「GADGUARD」や「WOLF'S RAIN」といった作品などで起きた、
深夜アニメでの制作遅れによる混乱(→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B7%B1%E5%A4%9C%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%A1#.E3.83.95.E3.82.B8.E3.83.86.E3.83.AC.E3.83.93.E3.81.AE.E6.B7.B1.E5.A4.9C.E3.82.A2.E3.83.8B.E3.83.A1.E8.BF.B7.E8.B5.B0.E5.8A.87.E3.81.A8.E3.81.9D.E3.81.AE.E5.BD.B1.E9.9F.BF:TITLE=参考)などの、
諸問題をうけ、アニメ作品の内容チェック体制は
ある程度厳しくなったのかと思っていました。
でも記事によれば、いわゆる独立U局アニメではまだ、
そのレベルの体制にはなっていなかったようです。
むしろ、この状況こそが、独立U局アニメの
規制の緩さの主要な要素だったともいえそうです。
とすると、今後は独立U局であっても、
キー局並みの水準でのチェック(規制)とが入ることも
十分予想されそうですので、
今まで塀の上を歩いていたような、
ギリギリの演出手法はTVアニメには
不向きとなるのかもしれません。
若しくはそのチェック(規制)を逆手にとるてもあります。
「ガン×ソード」の“ロバ”や「絶望先生」の“前田君”のような
演出をTV版に取り入れることで、
TV版とDVD版に差を付け、購買意欲をそそるといった
手法を取るアニメ作品が増えるかもしれません。
制作陣には負担が増えるでしょうが、
この局面に立ち向かうべく、
より一層の努力がなされることを期待します。
そして放送局には、作品内容の理解は勿論のこと、
作品の本質的な部分を十分に理解した上で編成して戴き、
一連のチェックが過度な規制となりすぎて
安易な放送延期・中止、放送画面の大半を隠すといった、
作品自体の良さを大きく損なう規制を乱発しないよう、
強く要望しておきたいと思います。