読売朝刊「試写室」にアニメ「ムシキング」が
2005年6月1日 読売新聞(東京版)朝刊より。
試写室
「甲虫王者ムシキング〜森の民の伝説〜」
命の尊さや友情 情感豊かに
小学生の男の子を中心に大人気のカードゲームが原作。アニメ化に当たっては、山内重保監督によって独自の物語が繰り広げられている。
森の民の少年ポポ=写真=が住む森に異変が起き、母が植物のような姿になってしまう。ポポは母を元に戻すため、かつて森を出た父を探しに旅立つ。ポポが持つ「守護者の証」を狙い、敵が巨大な虫を使って襲いかかるが、どこからともなくやって来るカブトムシのムシキングが、ポポと仲間たちを救ってくれる。
今夜は第9話。カビとキノコだらけの森に迷い込んだポポは、森の手入れをしないなまけ者の森の民に怒りを覚える。そこに、タランドゥスツヤクワガタを連れた敵が現れる。
CGを駆使した虫同士の戦いはリアルで迫力満点。一方、そこに至るまでの展開はやや地味に感じるかもしれない。しかし、命の尊さや弱肉強食の厳しさ、友情の大切さなど、不変的な価値を情感豊かに描いたアニメは近年では貴重な存在で、大人の鑑賞にも十分堪える。和田薫の重厚な音楽も印象的だ。(福)
音楽に言及しているのが嬉しかったりする。