寄付と税金
http://d.hatena.ne.jp/heso/20050107#p2さんを読んで。
しかし、「民間の支援」を期待するのなら、国としても是非考慮して欲しいことがあります。特定の災害に関しての寄付や募金にかんしては、税の控除対象として欲しいのです。
これについて、ネットの片隅から補足させて頂きますと、
税制では「寄付金控除」という制度があります。
(所法78、120、所令217、217の2、262、所規47の2、措法41の18、41の19)
この寄付金控除という制度について、もう少し説明します。
寄付金控除は、納税者が特定寄付金を支払った場合に受けられます。
特定寄付金とは、次の六つのうちいずれかに当てはまるものをいいます。
(1)国や地方公共団体に対する寄付金
(2)学校法人、社会福祉法人などの特定の団体に対する寄付金
(3)公益法人などに対するもので財務大臣の指定した寄付金
(4)主務大臣の認定を受けた日の翌日から5年を経過していない特定公益信託の信託財産とするために金銭でする寄付金
(5)特定非営利活動法人(NPO法人)のうち国税庁長官の承認を受けたものに対する寄付金(平成13年10月1日以後に支出されたものから適用されます。)
(6)一定の政治献金
ここで「日本赤十字社」への寄付金は(3)に該当しますので、この制度を使うことが出来ます。しかし、例えばTV局などの民間を通しての寄付では寄付金控除は使えません。
給与所得者がこの寄付金控除を受けるためには、確定申告をする必要があります。
給与所得者が控除を受けるには確定申告しなければなりません。給与所得者は通常年末調整のみで納税手続きは済んでいるので面倒ですが、この手続きを踏めば納税額が減る場合があるので、医療費控除を受ける際に確定申告をするのと同じですね。個人事業者の場合も確定申告の計算過程で控除計算を行います。
大事なのは、寄付金控除を受けるためには、寄付を証明する書類(領収書など)を確定申告書に添付するか、申告書提出時に税務署に提示する必要があることです。ですから、日本赤十字社への寄付を行う際には、領収書(受領書)を貰っておくことになります。
日本赤十字社でも
受領証が必要な場合、件名または本文に「○○救援」とご記入のうえ、振込者名・受領書の宛名・送付先住所・電話番号・振込金額・振込月日・振込先(郵便振替またはみずほ銀行)を info@jrc.or.jp あてメールにてご連絡ください。
と説明してます。忘れずに貰うようにしましょう。
肝心の控除額が幾らになるのか?ということについてですが、このように規定されています。
所得控除
次のいずれか低い方の金額 − 1万円 = 寄付金控除額
イ その年に支払った特定寄付金の合計額
ロ その年の総所得金額等の25%相当額
つまり特定寄付金(日本赤十字への寄付金)合計が5万円ならば5-1=4万円が寄付金控除額になります。1万円以下の寄付ではこの制度は使えません。(ロについては説明を省きます)
注意するのは、この額は「納めずに済む税額」ではないことです。税額は大まかには
で計算されるので、寄付金控除額4万円で税率10%・控除額0円の人の場合、単純計算で4万円×10%=4千円だけ寄付金控除によって税額が低くなります。但し「計算される税額」がマイナスになっても税金が還付されるわけではありません。
寄付をすれば必ず税金が安くなる、という訳ではないですが、寄付をした人は一考の価値ありです。寄付を行う際の参考にどうぞ。
(間違い等があればご指摘宜しくお願いします)
<参考>
http://www.taxanser.nta.go.jp/
http://www.jrc.or.jp/