[ 悠 々 日 記 ]/ YUYUKOALAのブログ

コアラのように悠々と日々暮らしたいと考えている、とある人の日記です

鷲宮神社への聖地巡礼が学術論文になっているらしい(その1)

9日の日経MJに「らき☆すた」と鷲宮神社について
こんな記事がでていました。

 

日経MJ 2009年1月9日)
らき☆すた」神社が聖地になったワケ
 
地元若手、ファンと交流
 
(写真)昨年の祭りに登場した「らき☆すた」みこし。初詣で客のため地元商店が展示した(埼玉県鷲宮町)
 
 埼玉県鷲宮町。古い歴史を持つ鷲宮神社は今年の正月も多くの「らき☆すた」ファンでにぎわった。なぜここまでアニメの「聖地」として人気を集めたのか。北海道大学の観光学高等研究センター准教授、山村高淑氏が昨年末、独自取材をもとに詳細に分析した面白い論文を発表した
 「らき☆すた」の原作は埼玉県に住む女子高校生四人組の日常を描いたほのぼの四コマ漫画。二年前にアニメ化され、人気に火が付いた。四人組のうち二人が架空の「鷹宮神社」の神主の娘姉妹で神社内に住んでいる設定だ。アニメ版で実在の鷲宮神社を姉妹の暮らす場として描いたのでファンが集まり始めた。
 正月三が日の初詣で客は一昨年13万人、昨年30万人、今年42万人と急増。地元では携帯ストラップや酒、せんべいなどのオリジナル商品を発売し、経済効果は1億円を超すという。
 山村准教授は聖地化の過程を受け入れ土壌整備期、ファン主導期、角川書店主導期、商工会主導・商店参加期、地域手動期の5段階に分ける。論文を読むと、2段階目のファン主導期からすでに地元商工会のスタッフがファンと信頼関係を築いたことが、後に花開いたと分かる。
 中心となった若手スタッフ2人は神社に集まるファンから聞き取りをする。「せっかく来てくれたのに鷲宮にはお土産がない。何か売ったら」という話が商工会で出る。二人は「2ちゃんねる」の関連スレッド(ネット上の会議室)にも参加、ファンの声を聞いた。そのうちにファンがアイデアを出してくれるようになり、今に至るまで活動に協力してもらっているという。
 実際に鷲宮町に行ってみると、飲食店や茶店に、作品をもじったメニューがある。マニアックになり過ぎるので詳細は省くが、これが「なるほど」と思うもじり方なのだ。適当に登場人物の名前を付けたのではなく、性格やエピソードを知っていないと出まいというアイデアの数々はファンの心をくすぐる。
 山村准教授の論文は「場」の持つ意味も大きいと指摘する。ファンの存在が認知されたきっかけは神社につきものの絵馬だった。まずアニメを描いた大量の絵馬が出現。それを見たファンが、コメントを書いた絵馬を奉納した。ネット的な匿名コミュニケーシヨンがリアルな場で展開されたのだ。昔の喫茶店の回覧ノートを思わせる。神社もこの種の絵馬を長く残すように配慮したそうだ。記者が昨年訪れたときは英語や中国語、ハングルの絵馬も目立った。
 各地でアニメやゲームの背景や舞台となった場への訪問が盛んだ。中でも神社は注目株。「美少女戦士士セーラームーン」の氷川神社(東京)、「かみちゅ!」の御袖天満宮(広島)、「ひぐらしのなく頃に」の白川八幡神社(岐阜)、「東方風神録」の諏訪大社(長野)、「かんなぎ」の鼻節神社(宮城)など、それぞれの登場人物と関係の深い神社をファンが訪れている。
 日本古来の不思議な存在が物語の軸になる伝奇小説や、京都や奈良を舞台とする和物系ファンタジーの流行。スピリチュアルやパワースポットの人気。そんなトレンドとも無関係ではあるまい。
 神社は時にコミユニテイーの中心であり、時に村外れでデートやケンカの場となるすき間のような場所でもあった。地元志向や緩さ志向と呼応した面もありそうだ。地元の友人か、故郷の幼なじみか、時空を超えた存在か、とにかく何かとの「つながり」の象徴が神社なのかもしれない。
 実際に鷲宮町では、神社を舞台につながりが生まれた。丁寧に育てたのは商工会の若手スタッフだ。そんな教訓が論文から読み取れる。宗教との連想で「聖地巡礼」という行為が誘発された可能性の指摘もなるほどと思わせる。ネットで無料閲覧できるので、ぜひ一読を勧めたい。
 (編集委員)

 
これまでにも日経新聞関連で「らき☆すた」を取り上げたことは
何度もありました。つい最近では1面コラム春秋でも取り上げられています
上の記事中でも「実際に鷲宮町に行って」とかあるので、
「春秋」に書いたのもこの人なんじゃないかな。
 
さて、この記事の中で今回取り上げられているのは、
北海道大学の准教授によって、一連の聖地巡礼への流れが
学術論文として取り上げられているということ。
 
では、どんな論文なのか。
見てみようと思い、研究室のサイトを訪れてみました。
(以下、「その2」に続く)