朝日新聞がライトノベル批判意見を載せながら、同時にライトノベル紹介記事を掲載していた
朝日新聞の5日の読者投稿面に、中学生が投稿した
ライトノベルを批判する意見が掲載されていました。*1
中学生の投稿意見が載るのも珍しいのですが、
内容がライトノベルについて、というのも異色です。
投稿はこんな内容でした。
ライトノベル 学校で必要か
中学生 男性 (埼玉県)
僕には今、心配なことがあります。それは、僕の学校で「ライトノベル」というジャンルの小説ばかりを読んでいる生徒が、男女を問わずに多くなってきたことです。
ライトノベルは文庫版サイズが多く、表紙などのデザインがアニメ的で少女趣味の感じのものが多い。僕も読んでみましたが、内容が平易で会話文が多く、派手な演出や扇情的描写からマンガに近いと思いました。
この種の本が学校の図書館でも、たくさん購入されています。僕は古典文学が大好きですが、そのような本を読んでいる人はほとんどいません。
良書は、子供にとって成長を支えてくれるものと思います。事実、僕も様々な本を読み、とても多くのことを学びました。
学校の図書館は、人気があるからといってライトノベルを安易に増やすのではなく、僕たちの考える材料となり感動できる本を集め、親しむことのできる環境をつくって欲しいと思います。
最後の行がこの中学生の主張のポイントですね。
でも実は、この投稿と同じ日の朝日新聞には、
こんな記事も掲載されているんですよね。
トライライトノベルス
この「トライライトノベルス」では
毎月第1日曜に掲載される、
「中高生のためのブックサーフィン」という
若い人向けの書籍紹介ページの1コーナーでして、
細谷正充氏が数冊のライトノベルを紹介しています。
当然毎月掲載されているわけで、今月は
1 一の倉雄一『ブルースカイ・シンドローム』/トクマ・ノベルズEdge
2 林譲治『ルナ・シューター1』/幻狼ファンタジアノベルス
3 P・A・マキリップ『チェンジリング・シー』/小学館ルルル文庫
1 電撃文庫記念企画『まい・いまじね〜しょん』/電撃文庫
2 唐辺葉介『PSYCHE(プシュケ)』/スクウェア・エニックス・ノベルス
3 加地尚武『福音の少年 闇と光を統べるもの』/徳間デュアル文庫
の3冊の紹介でした。
つまり、ライトノベルへの批判意見を掲載した朝日新聞が、
自ら若い中高生に向けて
「こんなライトノベルを読んでみませんか?」
と紹介しているわけです。
同じ紙面の中で、読者の批判意見と紹介記事とが
相反する結果になっているともいえそうです。