読売新聞の政治面コラム「ライトノベルと自衛隊」
21日の読売新聞朝刊の第4面、政治面に掲載された
編集委員によるコラム「政なび」に
「ライトノベルと自衛隊」と題された文章が掲載されていました。
ここで取り上げられていたライトノベルとは、
有川浩さんが書いた「海の底」です。
ライトノベル出身の女性作家による自衛地をモチーフにした小説が、若い人の間で読まれていると聞いた。
ライトノベルとは、中学生や高校生が好んで読むイラストまじりの小説のことだ。≪ライトノベルと自衛隊≫の取り合わせの意外さに惹かれて、話題の小説――有川浩さんの「海の底」(メディアワークス刊)を手にとった。あらすじはこうだ。
(略)
良くできたエンターテインメントだと思ったが、いくつかの場面で目がとまった。
(略)
世論の反発を恐れる政治家たちが自衛隊の武器使用決定をためらううちに、機動隊がついに敗走した。警察の指揮官は機動隊員たちに語りかける。「諸君がどれだけ健闘しようと意気に感じて次戦力を投入してくれる人間は官邸に存在しない」
機動隊員が「俺たちはそういう国の役人だ」とつぶやく場面もある。
「そういう国」――。有川さんは登場人物の口を借り、「平和ボケ」と称される安全保障をないがしろのする風潮や、その上に築かれた政治・行政システムに疑問を投げかている。
読み終えて、安倍首相が唱える「戦後レジームからの脱却」を思い浮かべた。有川さんの指摘は、安全保障分野における脱「戦後レジーム」を図れ、ということだろう。
(略)
有川さんは「海の底」を執筆するにあたって防衛庁(現防衛省)にも取材している。「横須賀基地が怪獣に襲われたとしたら、自衛隊は銃を撃ちますか」との質問に、応対した人は大笑いをしたという。
だが、若い人たちに多く読まれていることを思うと、「そういう国」と呼ばれるような国のありようのままであっていいのか、考えさせられる。
「海の底」を読んだ若い人たちがどんな感想を抱いたのか、機会があれば尋ねてみたい。
お堅い記事の多い、新聞の政治面で
「ライトノベル」の文字を目にするとは思いませんでした。
が、無理に「ライトノベル」の言葉を使わずとも、
「若い人向けの小説と自衛隊」との見出しで十分だったような印象です。
「ライトノベル」の説明を、読売社内にいる「例の兄弟」の一人である
(汗)記者がこの編集委員にしていそうな感じもしますが、
どうなのでしょうか。
この作品、アマゾンのカスタマーレビューでの評価が
どれも高いですね。私自身は「海の底」はまだ読んでいないので、
機会を作って目を通してみようと思います。
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